議題
Globalizationが変えるこれからの世界
開催日時・場所
5/13/05 金曜 7PM~1:30AM 今野宅にて
出席者 (到着順・敬称略)
ルベン・バルブエナ
沖電気 半導体部門 Product Marketing Manager (日本語ペラペラのパラグアイ人)
啓子・バルブエナ
ルベン氏の奥様 量子情報理論のMaster Degreeを持つ主婦
赤木 勝俊
NECエレクトロニクス シニア・エンジニアリング・マネージャ (チップ設計)
鈴木 久美
主婦。日本とアメリカを行き来する生活を始めて丸5年とちょっと。
川中 幸三
SILTERRA社 Sr. Sales Manager
髙橋 俊輔
船井電機 事業戦略本部シリコンバレー事務所駐在
Atsuko
Yamato Scientific America Inc. Customer Support・Inside Sales
佐藤 利元
山洋電気 サーボディビジョン エンジニア
平松 直樹
Cisco Systems社 Financial Analyst
川井 マリー
Tafapolsky & Smith LLP パラリーガル
今野 祐子
主婦。2歳の娘とGoing my wayな旦那と格闘の日々。
今野 純
計 大人12名 (+赤子2名)
議事録
1.”これからの10年飲み会”の趣旨説明
1.1 梅田氏のエントリー内容
”次の10年はどういう時代か?”について説明
Cheap revolution (ムーアの法則10年の重み)
インターネット
オープンソース
1.2 これを受けて
私がこの会を開催した理由とOpen Source化にする意義
…と、このあたりで自然と”Open Source”とは何ぞや?という話題に爆進(飲み会ならではの醍醐味:本題に行き着く前に異常な盛り上がりをみせる)
2.(議題急遽変更) Open Sourceとはなにか?
2.1 Hardwareの分野でOpen Source化することはできないのか?
2.1.1 IPビジネスがOpen Source化されない理由
メリットが見いだせられない
Openにした後の収益モデルが確立できない
…と、ここまで書いてみてどうもしっくりこない。
仕事のMeeting Minutesよろしく議事録形式で書き始めたものの、うまく”飲み会”の臨場感を描けないのだ。散文形式だと私の主観がどうしても入ってしまうためにこの議事録形式がしかるべきと思ったものの、やめ。
ここからは私の主観入りまくりの報告書をお送りします。
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Hardware分野でのOpen Source
Open Sourceを知らない人が意外と多く、その説明をしていくうちに自然とOpen Sourceそのものがどのようなものかという論議に発展していった。
その中でも興味深いポイントだったのが、「Hardwareの世界でなぜOpen Sourceがないのか?」である。さまざまな例が挙げられ、それぞれに論理的な”駄目だし”が繰り返されたのだが、どれもが的を得すぎた”駄目だし”の為にしっくりこない。
というのも、それら論理的説明はすべてSoftware分野に置き換えて考えると、HardとSoftのビジネスモデルの性質的違いの論議に昇化されてしまい、結果得られる答えでは現在のLinuxなどの成功について説明をすることができないのだ。
◆
「それでも似たようなものがある」と口火を切ったのが赤木氏
「Hardwareの世界では皆が使える規格ちゅうものが必要。それをみんなで決めるわけであるから、
その部分に関してはOpenである。皆が知恵を寄せ集めて決め、そしてそれを元に各々が製品を出す」
そしてさらに付け加える
「しかしながらこの規格を決めるのは力を持つ大手企業郡であり、そこに人・時間をかける理由には、わかり安すぎるロジックが存在するわけであって、Open Sourceとはとても言いがたいのが現状」
これを受けて規格作りをOpen化する為の実現性とそれが産み出す価値について様々な論議を繰り返したが、残念ながら有益な意見はえられなかった。しかしここから付加価値についての深い論議が始まり、そこから新たな発見へとつながる。
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付加価値(差別化)が支えるOpen Source
「規格と付加価値」 「Open Sourceと付加価値」 こういった一連のトピックスと同時に「Open Sourceそのものとは何者か?」 「なぜ人々はそれに参加するのか?」という話題へと変わっていくにつれ新たな真理が見え始めてきた。
付加価値とは”すでに存在しているもの”に、新たに付け加えられた価値である。親亀に乗る小亀みたいなものだ。親亀(すでに存在しているもの)がどんどん大きくなれば小亀(付加価値)も様々な種類のものが乗せられるであろうし、親亀が変わらずとも小亀だけを変化させていくことも可能だろう。
しかし。。。
より大きな変化を起こすには親亀自身が変わるべき
親亀の変化量とその変化から得られる小亀の変化量は相関する
(親亀が大きく変化すればするだけ小亀もより大きく変化する余地ができる)
ここは異論がないと思う。
そして我々が到達した真理とは。
Open Sourceとは親亀を大きくすること。そして親亀を大きくした人々は当然親亀の特性を熟知しているおかげで、どのような小亀をつくれば良いのかを誰よりも早く、深く知ることができる。
親亀から直接利益を得ようとしてはいけない、小亀で得る
親亀・小亀の表現は便宜的に私がここで勝手に付け加えたものだが、内容としてはこういった趣旨であった。
もうひとつ興味をそそられたエピソードはVHS vs Beta戦争において、
「エロビデオがVHSに勝利をもたらしたという話は良く耳にするが、それよりもVHSの規格を作ったビクターのOpen戦略が本質。SONYに対抗すべく、すべての規格をOpenとし”誰にでも簡単にできるように”見せかけて様々な会社を自陣営に引き込む。しかし肝となる部分はパテントをしっかり保持しそこで利益を回収する」
このような一見老獪とも言える戦略はこれからも色あせることはない。
◆ ◆
最後にGlobalizationの話題に進めたものの その説明に終始し、最後は宴会へと自然変貌してめでたく第一回目を終了いたしました。
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3.アンケート結果
途中退場者がいたり奥様方が違う話題で盛り上がっていたので母数は8名
Open Source
聞いたことがあった 7人
今回新たによく理解できた 7人
将来Open Sourceは有効であると思う 5人
Hardware分野でも有効であると思う 2人
Globalization
聞いたことがあった 6人
今回新たによく理解できた 2人
(理解が違っていた人 4人)
今後重要であると思う 6人
4.その他
出席者情報
私が認知できているレベルのリスクについては説明した上で各個人の意見にお任せして上記の出席者情報を開示しています。なるべく実名および所属情報が多いほうが好ましいと思っていたところ、予想以上の開示を受けて嬉しい限りです。
主催者感想
意外とこの飲み会の趣旨をきちんと理解して参加されている人が少なかったのが残念であった。これは私の努力不足。もうひとつ意外なのが、梅田望夫という人物を知らない人が半数もいたこと。それでも大きな盛り上がりを得られ、皆の興味を引くことができたのは第一回目としては喜ばしく思えることであると思う。
あせらず、じっくりゆっくり続けていくことができるよう肩の力を抜きながらがんばっていきたい。
次回
5/20(金)を予定。その後は隔週にて開催を考えております
以上