今日は面白いNewsが盛りだくさんだ。どれもこれもゆっくり考えてみたいものばかり。
体感する情報技術の研究成果で”生活に情報技術をどのように生かしてゆくか、というのが一貫したテーマ”を掲げた東京大学大学院学際情報学府の制作展「iii exhibition 2」を紹介している。
「uモドキ」
作者の中川譲さんの携帯電話を使うと、電球の色や色の変わるスピードをリモートコントロールできる。
NTTドコモのiアプリを使って制作。
その電球を持って会場を回ると、赤外線センサーで、作品ごとに電球の色が変わるようになっている。遊び心満載の作品。
頭の固いおっさん代表の私など「それでなにするの?」と問い詰めたくなるが、目的がなくていいのだろう。そんな遊び心が重要。
これを携帯のアンテナ部分につけて、なにかのセンサー(自動ドアのセンサーなど)に応じて様々な色がでたり、音がしたりしたら面白いのかもしれない。
また、特定周波数ごとに色を設定して、「お、いま800Mhz帯がつよいなこのあたりは。。。」などとオタク心をくすぐるガジェットとしても面白みがある。
これをもって町を探索していると、自分なりの場所の思い入れができて楽しめるのかもしれない。。。現代の騒然とした世の中からちょっと抜け出てみる。。。優雅だ。
「GelForce」
触覚センサーのついた板。
人間の触覚を視覚化しようとの試みから作られた作品。
弾性体でできた板を触ると、その圧力やベクトルの方向などを表現した映像がスクリーンに映し出される。
もともとは、ものを取るのに圧力が少なすぎると持ち上がらないし、大きすぎるとつぶれてしまう、そんな触覚をロボットに再現するため、まずは人間の触覚を詳しく知ろうと、始めたプロジェクトだった。
NVIDIA社のグラフィックチップの名前にそこはかとなく似たこの作品、もともとの発想からして製品化の匂いがぷんぷんするが、非常に興味深いアプローチだ。情報化社会として最も難しいのは感覚の情報化であろう。
単純なベクトル換算ではなしえないものを視覚化する。もしかしたらこれを幼少の頃から身近に接していると、視覚化された映像をみるだけで実際に行動として再現できるように人間は進化できるかもしれない。
または、それを脳内にて経験した内容として記憶できるべく効率的に伝送することができれば(
前のエントリーであげたようにそう遠くない未来なはずだ)これはもう映画Matrixの世界だ(DataをLoadするだけで、ヘリコプターの運転方法をマスターしたり、格闘技の熟練者レベルに瞬時になれてしまう)
「through the looking glass」
ゲームボードが半分だけ作られていて、そこに鏡が立てかけられている不思議な作品。
鏡を覗き込むと、ゲームボードの虚像が写って、ひとつのゲームボードが完成して見える。一見すると何の変哲もない鏡。しかし、鏡の中には、驚いたことに、鏡の前の景色とは別の世界がある。
非対称の映像はプロジェクタを2台使って作られている。そのしかけを使い、自分を対戦相手にボードゲームを楽しむことができるようになっている。
アイデアのもとはトランプのゲームボードの製作経験から。
ポーカーとかをやるときに、この素材(正面から見ると透明で、ある方向に傾けるとすりガラスになる)を使えば、自分のカードは見えても相手のカードは見えなくなる。
平面のコンピュータ画面で4人がゲームを楽しめる仕組みを作った。今回はそれをさらに発展させた。
作者はアート的な利用について言及されているが、それ以外にも色々と想像を掻き立ててくれる非常に面白い出展。このままアミューズメントParkに設置して、歩く歩道の側面などにつけるだけでもおもしろそうだ。
第二波を追い求めていく際に単にTechnology Orientedな話題だけでなく、このような柔らか頭と優雅なまでの余裕が必要な気がする。
文化発信地としての日本が見直されている我らがNippon、このような若人がいるのは非常に頼もしい。
GelForceの作者のコメントが心に残る。
「この作品で遊んだ人の中には、コンピュータを全く知らない老人もいます」